在来工法はツーバイフォー工法とどう違うの?注文住宅で選ぶならどっち?
注文住宅を木造で考えている方の中には、在来工法(木造軸組工法)とツーバイフォー工法(2×4工法)どちらで建てるか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。「在来工法とツーバイフォー工法は何が違うの?」「メリット・デメリットは何があるの?」「結局どちらの工法がいいの?」本記事では、以上のような疑問にお答えしていきます!
在来工法とツーバイフォー工法の違いとは
在来工法は、古くから日本で用いられてきた建築工法です。一方、ツーバイファー工法は北米でつかわれてきた建築工法で、日本で導入されはじめたのは最近です。では、ふとつの工法は何が違うのでしょうか。在来工法とツーバイフォー工法の特徴を紹介した上で、違いについて解説していきます。
在来工法とは
在来工法とは、木造軸組構法ともいわれ、柱と梁と筋交いによって、建物を支える工法です。日本では古くからある工法の一つです。林野庁によると、日本でつくられる木造建築のうち、在来工法が占めるシェアは75%という調査結果がでています。(2016年)古くからある工法なので、広く普及されており、多くの建築会社での施工実績があります。
ツーバイフォー工法とは
ツーバイフォー工法とは、2インチ×4インチの角材を利用し、住宅を建てる工法です。角材に合板を張り付けることでパネルをつくり、そのパネルを組み合わせることで、家をカタチづくります。柱やが梁で構造をつくるのでなく、壁で構造をつくるので、枠組壁工法ともいわれています。
在来工法とツーバイフォー工法の違い
在来工法とツーバイフォー工法の大きな違いは、どこで建物の重さを支えるかです。在来工法は、柱や梁の点の力で建物を支えます。一方、ツーバイフォー工法は建物をパネルの面の力で支えます。
在来工法のメリット・デメリット
柱や梁の点の力で支える在来工法には、どのようなメリットがあるのでしょうか。デメリットと合わせて紹介していきます。
在来工法のメリット
・間取りを自由につくれる
柱や梁の位置は、比較的自由に動かせるので、間取りに自由がききます。大きな窓などの開口部も取りやすい工法のため、ツーバイフォーでは叶わない間取りをつくれるでしょう。
・リフォーム・リノベーションしやすい
リフォームやリノベーションでは、間取りを変更することもあります。柱や梁は、間取り変更の際に解体や増設がしやすいのです。
・古くからある工法なので技術が普及している
在来工法のシェアは、日本の木造住宅の過半数を占めます。技術が普及している分、施工会社の選択肢が広がるでしょう。
在来工法のデメリット
・工期が長くかかりやすい
在来工法は、大工が柱や梁などの建材を建築地で一から組み立てていきます。ツーバイフォー工法と比べ、手作業での工程が多いので、工期が長くかかりやすいです。
・品質に差がでる
在来工法は、間取りに自由がでる一方で、工程が複雑になりやすくもあります。工程が複雑になるほど、大工の経験や技量によって、家の品質が左右されるのです。
・施工費用がかかりやすい
工程が複雑になり、工期が長いと人件費や管理費などの間接コストが上がります。間接コストの上昇は、施工費用の上昇に直結するのです。
ツーバイフォー工法のメリット・デメリット
パネルの壁の力で支えるツーバイフォー工法には、どのようなメリットがあるのでしょうか。デメリットと合わせて紹介していきます。
ツーバイフォー工法のメリット
・性能を向上させやすい
面で構造をつくるので、地震時の揺れや強風に対し、強い耐性があります。さらに、建物の隙間を減らせるので、断熱性や省エネ性の向上が期待できるのです。
・工期を短くできる
ツーバイフォー工法は、工場で構造躯体を生産したのちに、建築地で組み立てるという工程で工事を進めます。大工が手作業で行う工程を削減できるので、工期が短いのです。
・品質を安定させやすい
建材を工場生産により組み立てるので、品質が安定します。大工の経験や技術力に左右されにくい工法といえるでしょう。
ツーバイフォーのデメリット
・間取りが制限される
パネルによって建物を支える工法なので、壁量が在来工法より多くなります。壁が多くなると希望の間取りが実現できない場合も。
・リフォーム・リノベーションをしづらい
間取りを変更する際は、パネル(壁)ごと解体しないといけないので、手間や費用がかかります。壁を壊すと耐震性を維持できなくなることもネックです。
注文住宅で選ぶならどちらがよいのか
注文住宅で選ぶなら在来工法とツーバイフォー工法どちらがいいでしょうか。結論からいうと注文住宅に何を求めるかで変わります。在来工法が向いている方は、つぎのような人です。
・間取りのこだわりがある方
・将来的にリノベーションやリフォームを検討している方
・より多くの建築会社を検討したい方
ツーバイフォー工法が向いている方は、以下のような人です。
・住宅の性能を上げたい方
・工期を短くしたい方
・職人の腕に左右されない安定した品質の家を建てたい方
まとめ
以上、在来工法とツーバイフォー工法の違いについて、紹介いたしました。在来工法は、柱と梁で建物を支える工法です。最大のメリットは、間取を自由につくれることですが、工程が複雑になることで品質が安定しないというデメリットも存在します。一方、ツーバイフォー工法は壁で建物を支えます。システム化された工法なので品質は安定しやすいですが、間取りに制限がでることも。注文住宅のどこにこだわりたいかで、おすすめする工法は違うので、家族間で希望をだし合うようにしましょう!