夫婦で住宅ローンは組めるの?注文住宅を建てる前に知りたい注意点とは
近年では夫婦共働きの家庭が多く、住宅ローンについても「夫婦の収入に合わせて借り入れたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は注文住宅を建てる際に、夫婦で借りられる住宅ローンの種類やローンを組む前に知っておきたい注意点について紹介します。
共働き夫婦で借りられる住宅ローンの種類
共働きの夫婦が借りられる住宅ローンについては主に3つの種類があります。それぞれ詳しく解説します。
ペアローン
ペアローンとは、夫婦それぞれが異なる住宅ローンを組む方法のことです。例えば、「ローンA」と「ローンB」と呼ばれる2つのローンがあった場合、2つに分けて夫婦それぞれが債務者となり、お互いが保証人となります。2本のローンを契約するため、夫婦2人とも住宅ローン控除を受けることができるほか、それぞれが団体信用生命保険に加入することも可能です。また、ペアローンでは必ずしも金利タイプや返済期間・方法を同じにする必要はありません。
連帯保証
夫か妻のどちらかが主債務者となる場合には、もう一人は連帯保証人となり、万が一主債務者が何らかの理由で返済困難な状況に陥った際には、返済義務を負うことになります。連帯保証ではローンの契約本数自体は1本であり、諸費用についても債務者分のみとなります。
そのため、住宅ローン控除・団体信用生命保険を受けられるのも債務者1人のみです。連帯保証では2人の収入を足した分の借り入れを行いますが、実際に借り入れをするのは主債務者のみとなります。つまり、返済の義務を負う主債務者の収入ではあるものの、希望する借入額に達しない場合には、配偶者の収入を合算して借入金を増やすことが可能という仕組みです。
連帯債務
夫か妻のどちらかが主債務者となり、パートナーは連帯債務者となって、夫婦が平等に返済義務を負います。返済自体は2人が協力して行いますが、ローンの契約本数は1本であるため、連帯保証と同じく諸費用は債務者分のみとなります。また、住宅ローンの控除を夫婦別々で受けることが可能であり、団体生命信用保険については、主債務者だけが加入できる金融機関も多いですが、連帯債務者を含めて適用可能な「夫婦連生団信」もあります。
夫婦で住宅ローンを組む場合の注意点
夫婦で住宅ローンを組むことで、借り入れできる金額を2人分に増やすことができるなどのメリットもありますが、一方で注意しておかなければ損をしてしまうポイントもあります。ここでは、ローンを組む前に知っておくべき注意点について紹介します。
返済の負担
夫婦で住宅ローンを借りることで借り入れる金額を増やすことができますが、だからといって多く借り入れすぎてしまうのは非常にリスクが高いです。借り入れる金額を増やせば当然、その分返済の負担も大きくなります。とくに長期間でローンを組む場合、完済するまで共働きであることが前提となるため注意しましょう。
年齢やキャリアを重ねるにつれて状況も変化し、例えば子供が生まれてどちらかが仕事を辞めたり、失業・退職してしまったりした場合、貯蓄が十分でなければ家計が崩壊してしまうリスクが考えられます。そのため、現在だけでなく将来的な働き方やライフスタイルなどについてもしっかりと考慮しながら、夫婦2人での借り入れを検討するようにしましょう。
離婚のリスク
夫婦で住宅ローンを組んだ後に離婚したときの主な対処としては、どちらか一方が債務を引き受けるか、売却するかのどちらかとなります。債務者となる場合には、返済能力に問わず、夫婦のどちらか一方が離婚後も返済を続けなければなりません。万が一、返済を拒否したという場合には、連帯保証人が代わりに返済することになります。
また、夫婦同意のもとで家を売却するという場合には、家を売却したお金で住宅ローンの残債を完済することになります。残債以上の売却額であれば問題ありませんが、完済できないという際には引き続き住宅ローンの残債を返済しなければなりません。そのため、夫婦で住宅ローンを組む際には、離婚によって上記のようなリスクがあるということをしっかりと念頭に置いたうえで検討するようにしましょう。
将来のライフスタイルを考えて決めよう
夫婦で住宅ローンを組む際には、将来のライフスタイルも見据えた借り入れや、貯蓄を考えることが大切です。ペアローンや連帯責務でローンを組む場合、返済割合は万が一の場合や変化するライフスタイルのことを考え、収入が減ってしまった時でも返せる金額に設定しておくようにしましょう。また、将来的な変化に対応できるよう、住宅ローンの借入期間を短くしすぎないこともポイントのひとつです。
まとめ
この記事では、共働きの夫婦が借りられる住宅ローンの種類や夫婦でローンを組む際の注意点について紹介しました。夫婦で住宅ローンを借りる際には目先や表面的な損得だけではなく、将来的なライフスタイルの変化やお互いが保証人や債務者になることの意味を考えてローンを組むことが大切です。これからローンを組むという場合には、ぜひ今回紹介した点を参考に、夫婦に最適なローンの組み方を検討してみてください。